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貴方は人生の主人公

私はこの数年間、著書や講演を通じて「仕事も大切であるが自分の生活も大切にしよう」というワーク・ライフ・バランスの必要性を説いてきた。
ある講演が終わって「私は仕事は定時に終え早く家に帰りたいのですが職場はみなすぐには帰らないため帰りにくい雰囲気なのです。どうしたらいいでしょうか?」という質問があった。私は「帰りにくくて帰れないなら帰らなければいいでしょう。早く帰ってやりたいことがあるなら早く帰ればいいでしょう。それは貴方自身が決めることであって私ではありません」と応えたことがある。
自分は何者であるか、どんな仕事や生活をしたいのか、どんな人生を目指したいのかといったことは自分でよく考え実践すべきでそういった自分の生き方の基本は例えば会社に入ったとき、30歳になったとき、課長になったときなど節目節目に自らたな卸しすべきだろう。そういったことが自分や周りの人そして社会を正しく理解し自分が幸せになることに繋がると思う。
人は会社や他人のために生きているのではなく自分のために生きている。
人は一人ひとり自分の人生の主人公なのだ、その席を決して他人に譲ってはならない。そのためにはそれなりの「決意と覚悟」が必要で節目の時期に自分のたな卸しをして自分の生き方を確認する必要がある。
自分を大切にすること、つまり自分自身が幸せになることを目指し努力すべきと思う。


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営業の本質

百科事典を見ると「営業とは営利を目的として業務を行うことをいう」とある。
一方、営業とは企業活動の集合体を指す言葉としても用いられており営業活動とは「利益」を生み出すことを目的としたもの、つまり「事業を営む」ことである。
そのためには顧客の欲しいものは何かなどを適切に探り当てそれを適正な価格で供給しなくてはならない。したがって営業の本質は「モノを売る」ことではなく「知ること」であり「事実は何かというファクトファインディング」が出発点にないと成功しない。
そうした活動を通じて利益を獲得していくわけだからから企業行動や営業の最先端に顧客がいる。
そういうことからドラッカーは「会社の目的は顧客の創造である」と喝破した。
つまり企業がどのような行動をとるかはある意味顧客が決定することになる。
顧客が何をいくらでどれだけ買いたいかによって企業の行動が決まってくるし、顧客が気づいていない、製品化したら喜ぶモノやサービスを探し出し提供していく。
それを正しく遂行することによって「顧客に支持と満足をいただき」結果として「顧客に幸せをもたらすこと」が営業の最終の目的である。
そのために必要なマーケティングとは小手先のスキル、技法ではない。顧客を基点とした活動、つまり顧客のニーズを満たすこと、あるいは顧客のニーズを作り出すという大きな発想法であり仕掛けのことだ。だから例えば生産部門に適切な品質やコストを確保してもらうことも営業の大事な仕事といえる。
私は企業の理想の姿は営業しなくても商品が販売できる、そういう仕組みを作ることだとさえ思っているし新しいビジネスモデル(例えばコンビニを展開するなど)を作るなどイノベーションを興すことも大事な仕事だと考える。


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科学の可能性と限界

 百年前に書かれたSF小説を今読むと大抵のことは現実化している。
百年前には荒唐無稽と思われたテレビ、飛行機、ロボットなどは我々にとっていまや身近な存在である。
 では当時のSF作家が神の如き慧眼で未来を見通していたかというとそうではなく当時の人たちが「こんなものがあればいいよね」と思った夢や憧れを小説として書いただけだ。
 当時の技術では実現不可能と思えるものでも、その後の科学の進歩で実現可能になっていった。
昔は天気予報も台風情報もわかる術がなくある日突然台風が来て壊滅的被害を受けたりしたが今は前もって備えができる。
結核は不治の病だといわれたが今はそんなことはないしさまざまな病気が医学の進歩で克服されている。
 昔、空を飛ぶということは危険に満ちたことで飛行機などそれこそ「とんでもない」乗り物だったろうがいまやあぶないから乗らないという人はほとんどいない。
科学の可能性というのはどこまでいくのだろうか。
では宇宙旅行や原発はどうだろう。なんとなく宇宙へはいつかは一般の人も安全に行けそうな感じがする。
そうしたら原発はどうだろうか。 フランスなどは人類の英知で安全に稼動させかつ環境に優しいエネルギーとして保持し続けたいと考えているようだ。それに対しいまやドイツやもちろん日本もこんなに危険なものは廃絶すべきだという人が多い。
今回の原発の事故はリスク管理の怠慢から起こったことに過ぎないのではないのか。仮にあのような津波が来ると想定していたら事故は防げたのではないのか。
このような原発擁護のことを書くと非国民のように思われるが原発は全廃すべきというあまりに右から左に飛んでしまう発想はもう少し柔軟に考えてもいいのではないだろうか  


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浜岡原発全面停止

多くの人が「脱原発」をいいはじめ今の状況では反論する人はいないというか口に出せない状況である。今回の「フクシマ事故」によって原発の増設は長期にわたってできないだろう
事故のためアメリカやドイツなど原発ができない国が多い中、フランスと日本がいわば敵失でその存在感を高めてきたが今回の事故でほぼ終わった。
私は大げさにいえば1000年に一度起こるかという今回の地震と津波と原子炉(この3拍子そろった場所は世界に日本とカリフォルニアしかないが)により津波の怖さもさることながらいまさらのように原発の恐ろしさを感じた。
そして今回、政府は浜岡原発の停止を中部電力に要請し中電はそれを受け入れた。
私が中電の社員だったら割り切れなさを感じるし、仮に役員会が政府の要請を即座に受け入れたら私が中電の株主なら株主訴訟を起こしたくなる。
もともと原発へのシフトは石油依存からの脱却を国是に政府が決めてきたことで、昨年も民主党政権はCO2削減のため2030年までに14基の原発増設を計画したのだ。
どこの電力会社が自ら喜んで原発を導入しただろうか。原子炉1基に巨額の資金と20年以上の歳月をかけ、住民への説得や資金提供をし、そして出来上がってみればトラブルシャットダウン、稼働率は5割、中間貯蔵施設もなかなか実現しないという苦労の連続、おそらく電力会社で原発を心から推進したいと思っている会社はなかったと思うし、このような事業は国がやるべきものではないか。
30年間で東海地震の起こる確率が87%などということは以前からわかっていたことだし津波の高さがどれくらいまで想定されるかは過去の事例を研究すればわかることだろう。浜岡に原発設置を決めたとき(福島もだが)政府はそれをどういうことで許可したのか。
それに87%は止め、数%なら止めないということは論理的に正しいのか。
いまさらとはいいながら電力会社の責任ばかりとは言えないだろう。


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左遷を左遷にしてしまうのは自分

 最近アサヒビールの瀬戸元社長の回顧録を読んでいたらこの方が何度か左遷されたそれを乗り越えてきたことが書かれていて興味深かった。
長く会社員をやっていれば意に沿わぬ人事に会うこともあり、なかには明らかに左遷と思われるケースもある。 ただ、そうした左遷人事を本当の左遷にするかどうかは、つまるところ自分しだいである。左遷人事でも何かしら得るものはあるもので傍流の人たちと出会い、そこで今までにない考え方を発見したり、新しい人脈を築いたりできれば、その左遷は意味があったと言える。
 「左遷」というのはしょせん価値観の問題で「新天地」であり「新しい体験ができる場」と考えれば、それはたんなる人事異動であり左遷にはならない。
 左遷された原因は上司に嫌われたり煙たがられたといった、たんなる私情から起こることかもしれないがだからといって上司を恨んだところで何の益もない。
 上司だって人間で公平に接しようと思っても、かわいいと思う部下もいれば煙たく感じる部下もいる。理不尽と思うかもしれないが、組織に属する限りそれは仕方のないことだ。
 これをいい機会と捉えて奮起したり自らを省みるきっかけにする。自分ではまるで身に覚えがない不当と思える人事でも、よく考えれば思い当たるふしはあるものだ。
 組織の中で力を発揮し引き立てもらうには、周囲や上司を味方につけるための根回しなどの努力も必要でその意味では左遷されたのも自分の責任であり、逆に上司の覚えめでたく栄転すればそれもまた自分の力なのだろう。
 人は自分の器どおりの人生しか歩めないと考えれば、左遷されても社長の器の人はそれをバネにいずれ社長になるかもしれない。左遷されたことを恨みそこで腐って終わるようなら、それはそれでその人の器なのだろう。


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「知る」と「識る」は違う

昔、私の会社に「3賢人」と呼ばれていた人がいた。1年間に200冊以上の本を読む人たちで何を聞いても答えられるいわば「物知り博士」であった。
この3人に共通したことがあった。それは3人とも仕事ができないというかやらないということだった。
仕事は知識をもっているだけでは良い結果が出ない。熱いパッションと実行力がいる。
私は東レ経営研究所で人材育成の仕事で研修などをしていて開講の挨拶をすることがあるがそのとき「皆さん、このような研修を受講しても何の役にも立ちませんよ。ただ皆さんの中で10人に一人か二人、この研修で学んだことを職場で実践する人がいます。そういう人のために私たちはこの研修しているのです」ということがある。
私の会社で講演会を開いたりすると話が終わって「今日は○○さんのいい話を聞いた」と言って帰る人がいる。その人にとっては単純に「いい話を聞いた」と言うことだが所詮「いい話を聞いた」いうだけである。
それがどうしたというのだ。「いい話を聞いた」「いい本を読んだ」「いい映画を観た」などただそれだけでそのことを自分の行動に落とし込まない知識をいくら積み重ねてもなんの役にも立たないと思う。
ある新聞のコラムで私は「多読家に仕事ができる人は少ない」と書いたことがあるが、その意味はただむやみに本を呼んでもそのことを自分で考えなくては本物にはならないと考えたからだ。
「知る」は単に「見た」「触れた」というだけで一瞬は頭に入ってもすぐに消えてしまう可能性があるが「識る」は頭に納められ、培うものである。
自分の生き方、考え方、性格、経験に応じて自分なりにその知識を吸収していってはじめて本物になっていく
「学びて思わざればすなわち暗し」(論語)


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急がれる高度部材産業の修復

今回の東日本大震災での被災地域には、自動車や電機をはじめとするメーカーに基幹部品や素材を供給する工場が集積していて、世界シェアの6~7割を生産している「ニッチトップ企業」の工場も多い。
例えば車の運転制御に欠かせないマイコンは最大手ルネサスエレクトロニクスのひたちなか市の工場の操業停止が1ヵ月半続けば世界の自動車生産の約6.5兆円が消失するといわれている。
これら高度部材の場合、たった1つの部品、1つの素材の供給が止まれば、日本全国、世界中の電機・自動車メーカーの生産がストップしてしまうことが起こりがちである(サプライチェーンの断絶)。
このため、設備の毀損規模自体は小さくても、今回の日本全体の生産へのダメージは甚大なものとなるだろう。
日本企業は誰もが同じものを作るという横並び体質から決別し小さい市場ながらオンリーワン、ナンバーワン戦略をとるというビジネスモデルの転換を図ってきたときに今回の被災が起こったとは皮肉である。
多くの付加価値の低い製品がアジア諸国に生産移転した中、日本はこうした高度部材はなんとしてでも死守しなくてはならない。
したがって、これらの工場の復旧は焦眉の急で、もし復旧に手間取れば、これら部材の生産が、これまで日本メーカーの後塵を拝していた海外メーカーに流れてしまい、二度と戻ってこない可能性がある。
東北にある「日本の宝」とも言うべき高度部材産業の集積を失えば、日本の製造業の競争力の根幹が損なわれる由々しき事態である。
幸い最近の報道によればこれらの復旧は当事者と関係者の死に物狂いの努力で急ピッチで進展しているようでこのへんのところはさすがに日本の技術力といえよう。


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自己研鑽は自腹で

私は20代30代のころ社内研修はもちろん社外の研修にもよく出かけていった。
社外の研修は会社がその費用を出し渋るので、しばしば自腹で出かけていった。自分でお金を払うことになるとなんといっても意気込みが違う。
まずどんな研修がいいのかどんな講師がいるか徹底的に調べる。そして自分が投資したお金の元をとろうと必死に講師の話に聴き入り、自分の仕事や自分の人生に何か役立つものはないかを見つけようと考え抜く。
私は40代のころは苦手な英語をマスターするため50万円ほど投じて英語ニュースを毎週送ってもらい学習したが仕事で英語を使う必要があったのである意味必死であった。
この費用を会社の出してくれた研修なら用事があれば、欠席したり、遅刻したりしても平気で、講師の話もなんとなく聴いてしまうことが多い。
私は現在、東レ経営研究所で人材育成の仕事をしているがその中に「次世代経営者育成塾」というのがあり、企業の40歳代の集まりで、2週間に1回の計8回開催している。
受講生の中でひときわ熱心な人はやはり自腹で参加した人であり自分で払っているものだから毎回出席するしグループ討論には積極的だ。
ただ面白いのは自腹で参加した人が会社にそのことを言わないケースが多いことだ。
「研修に行くってずいぶん余裕があるね」とか「そんなことをする暇があるなら会社の仕事をしたらどうだ」などと評価する上司がいるからのようだ。
もちろん人は仕事を通じて伸びてはいくが仕事以外の経験やこのような異業種交流もその人の幅を大きくしてくれることがある。
現実の職場の多くはまだまだ人を育てようという視点に欠けているようだ。


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原子力発電を考える

先週、テレビでマイケル・サンデル教授の「特別講演 大震災後の世界をどう生きるか」を見た。
日米中の若者を中心にそれぞれ10名ほどづつとサンデル教授が議論をしていった。
その中で「これから原子力発電とどう向き合うのか」という話になったとき「原子力とは決別すべきか」という問いに日本人は約半数賛成したのに対しアメリカの若者は全員反対、すなわち原子力は必要だと答えた。
日本人は毎日のように福島原発の悲惨な映像を見せつけられているしどうしても否定的になってしまうのだろう。
原子力を利用せざるを得ないと答えた人の中ではその理由としてかつて車も飛行機も危険であったが人間の知恵でその危険性を排除し上手く利用できるようになっていまや飛行機が不要という人はいなくなった。原子力もそのようにその危険性を克服すべきだ、と言う。
この議論にはやや飛躍はあるが、たしかに欧米日はともかく新興国を中心にエネルギー消費がますます増大していく中で石油や天然ガスだけでカバーしていくとなると莫大な資源を使うことになるしCo2の排出も大きくなろう。
事実、中国もインドもそれぞれ8基、6基の原発を増設中であり今回のフクシマがあってもストップしないだろう。
日本で原発と決別するといってもこれから増設するものはストップできてもすでに54基の設備を持ち全発電量の4分の1を占める原発とはおいそれと決別するわけにはいかない。
それと今後を考えるとエネルギー不足に国民が耐えられるのか、あるいはエネルギーのコスト高に耐えたれるのか、課題は多い。
今回の大災害の悲惨な結果は自然が私たちの暮らし方の根本に反省を迫っているし私たちの文明のあり方を問い直しているともいえる。
ある意味自然は私たちに何かを語りかけている。何かとはもっとエネルギーをという飽くなき欲望への警告でもあろう。


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震災地での復興に知恵を

東日本大震災による日本経済への影響をさまざまな調査機関が予測している。
主要民間調査機関が予測する2011年度の実質経済成長率は大雑把には大震災のため4-6月はマイナス成長であるが復興需要が大きく年度後半には経済成長率は取り戻していき平均で0.4%としている。
その予測の中で大きな要因は計画停電の生産への影響がどの程度かということである。
東京電力管内での全国での生産シェアは33% 出荷額で約90兆円なので仮に停電の影響が10%くれば9兆円のダメージにつながるという大ごとなことになる。
関東圏の電力不足は2011年の国内経済にとって最大のリスク要因といえる。
加えて原発事故の影響であるがこちらはあまり先を読めない状況である。
さて、たしかに東北地区の生産設備の損壊の経済全体に対する影響は軽微かも知れないがその地域にとっては工場を復旧する間に生産場所が他の地域に移ってしまい生産再開したとき供給ルートが元通りに戻ってくるのかという不安を抱えている。
その生産する製品にもよるがおそらく一度他地域へ替わってしまうと元に戻ってくる確率は低いかもしれない。
これから急ピッチで被災地は復興していくことになるがそのとき被災地に立地する企業には税制面や金融面で大きな恩典を付与するというかインセンティブを与えてやり企業の進出を促す施策を考えなくてはならない。
働く仕事がなければその土地に住む人たちの生活の基盤がなくなり地域社会が成り立たないことになる。
最近、被災された人を優先的に雇用する企業が出てきてひとつの救済策として明るいニュースになっているが企業の誘致にも元の経済力をできるだけ維持ないし拡大させるような知恵を出していかねばならない。


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